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高血圧を防ぐ食事

高血圧状態を長期間放置すると動脈硬化を招き、脳卒中などの脳血管疾患や心臓病、腎疾患など多くの疾病を引き起こしやすくなります。

高血圧の治療は、まず生活習慣の修正が重要です。食事療法のほか週180分以上の運動や禁煙、節酒(例:日本酒1合/日まで以下)、防寒に努める、情動ストレスのコントロールが大切です。また、生活習慣の修正を行っても血圧が高い場合は、薬の服用が必要となります。


食事療法のポイント

エネルギーや食塩の過剰摂取に注意し、栄養バランスのとれた食事をすることが大切です。

  1. 適正体重を維持しましょう
    肥満は血圧の上昇に影響します。菓子および嗜好飲料などの糖分や、揚げ物・調理油などの油脂のとり過ぎによるエネルギーの過剰摂取に注意して、適正体重を維持しましょう。
    また、早食いはエネルギーのとり過ぎにつながりやすいため、よく噛んでゆっくり食べるよう心がけてください。
     (標準体重の求め方)               標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
       (例)身長が160cmの場合:  1.6(m)×1.6(m)×22≒56.3(㎏)

  2. 栄養バランスを考えて3食規則正しく食べましょう
    毎食「主食・主菜・副菜」をそろえましょう。
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                  主食:ごはん、パンなど


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                主菜:魚、大豆製品、肉、卵、乳製品など


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    副菜:野菜、海藻、きのこなど

  3. 食塩を減らしましょう
    食塩のとりすぎは、血圧を上げる大きな要因です。
    調味料のほか、加工食品に含まれる食塩を合わせて1日6g未満とします。

    ① 食塩を多く含む食品を避ける
       加工品や塩蔵品を避けて、生の食品を選ぶとよいです。
       (例)干物、塩鮭、はんぺん→生魚
          ハム、ウインナーソーセージ→生肉
       佃煮や漬物は、少量でも塩分が多いのでできるだけ避けましょう。

    ② 香りや風味を活用する
       酢やポン酢など柑橘類の果汁の酸味を利用しましょう(例:焼魚、酢の物)。
       焼き海苔、すり胡麻、ねぎ、しそ、ゆずなど香りを利用しましょう(例:ごまあえ、冷奴)。
       こしょう、唐辛子、生姜など香辛料を利用しましょう(例:豚肉の生姜焼き)。
       揚げ物の油のこくや焼き物の香ばしさがあると、うす味でもおいしく食べることができます。

    ③ 食卓で使う調味料は使わないようにする
       どうしても卓上の調味料を使いたい場合、計量スプーンで使用量を把握しましょう。
       醤油小さじ半分、ウスターソース小さじ1杯は、食塩0.5gに相当します。
       醤油など液体調味料の場合、専用のスプレー容器につめ替える、塩など粉末調味料の場合、調味料が出る穴を半分ふさぐなど、1回あたりの使用量を少なくする工夫をすると良いです。

    ④ 汁物(みそ汁・すまし汁・スープなど)はできるだけ飲まないようにする
       汁物には、汁椀1杯で食塩が1.5〜2g含まれます。麺類は、つゆを全部飲むと5g以上の食塩量です。
       食塩を取りすぎないように、具の多い汁物にする、だし汁のうま味や香味野菜、香辛料を活用してうす味にする、麺類のつゆを残すなど工夫をしましょう。

    ⑤ 主食はできるだけ白いご飯にする
       麺類、パン、味付けのご飯(五目御飯、チャーハンなど)は食塩が含まれるので注意しましょう。

    ⑥ 味付けにめりはりをつける
       すべて料理がうす味だと物足りないので、1品は普通の味付けにすると満足度が高くなります。

    ⑦ 旨味を活用する
       干ししいたけ、昆布、かつお節などうま味を活用した料理にすると、うす味でもおいしく食べることができます。うま味の成分は主にグルタミン酸(昆布、チーズ、味噌、醤油、トマト、白菜など)、イノシン酸(鶏肉、牛肉、豚肉、かつお)、グアニル酸(干しいたけ)です。「グルタミン酸」に「イノシン酸」を組み合わせると、単独での使用の場合よりも、「うま味」が7〜8倍となり、減塩の効果が高いです。
       例えばグルタミン酸を多く含む昆布にイノシン酸を多く含むかつお節を加えただし汁が相当します。
       また、料理の味がうすく感じた場合、「うま味調味料」を振り入れると、醤油など塩分を加えなくてもおいしく食べることができます。「うま味調味料」を活用することで約30%の減塩が可能となります。「うま味調味料」の原材料は主にさとうきび、とうもろこし、米などの農作物です。日本だけでなく国連や米国など国際的な機関からも安全性が認められています。「うま味調味料」は料理にうま味を加えるだけでなく、野菜の苦味、えぐ味を緩和する、酸味をマイルドにする、唾液分泌を促進しうま味の感受性を高める働きがあるといわれています。

                          

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食塩の少ない食事を子供の時から慣れておくことで、高血圧の予防ができるといわれています。減塩の食事を家族全員で行いましょう。

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