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糖尿病療養とお薬の話

全国糖尿病週間の記念講演会として、岐阜大学医学部附属病院 薬剤部 西田 承平 先生をお迎えし、「糖尿病療養とお薬の話」というテーマでお話をして頂きました。

日本で糖尿病と診断された人が1000万人、糖尿病予備軍が1000万人とされ、合計2000万人いると2018年に報告されています。現在、全国的に糖尿病患者は増えており、糖尿病を専門とする医師だけで診療するのは困難であり、糖尿病の専門ではない「かかりつけ医」との協力による診療が求められています。糖尿病患者が高齢化すると3大合併症に加え、大血管障害(心筋梗塞、脳梗塞、末梢動脈疾患、足壊疽などの足病変)や認知症、歯周病など他の疾患を併発するケースが多くなります。かかりつけ医で定期的な血糖コントロールが行われていますが、かかりつけ医で治療を行うにあたり、糖尿病の病態評価や合併症の早期発見のために、専門医の診察や検査も必要となります。

岐阜市では岐阜大学医学部附属病院を中心に、『糖尿病連携手帳』を利用した糖尿病地域連携パスが運用されています。『糖尿病連携手帳』は糖尿病専門医とかかりつけ医、多職種のメディカルスタッフ、さらには患者さんが共有すべき基本情報がすべて手帳に網羅しています。『糖尿病連携手帳』を利用される患者さんでは、利用されていない患者さんと比較し、糖尿病の進行が緩やかであるとされています。他にも患者さん向けに糖尿病治療をわかりやすく紹介する雑誌『糖尿病ライフ さかえ』も正しい知識の啓発に役立っています。糖尿病治療には、病態についての正しい知識だけでなく、糖尿病を自分のこととして受け止めているか、合併症予防をどの程度、重大な事と思っているかを引き出すことは、今後の方向性を決定するのに重要です。また、「食事療法」「運動療法」「薬物療法」などの『セルフケア行動』のメリットやデメリットについての関心領域がわかれば、患者さんが求める有益な情報を提供することができると講演していただきました。

糖尿病治療の目標として大事なのは、合併症の発症予防と進行抑制とされています。今回の講演より『糖尿病地域連携パス』で患者さんを医療機関だけでなく、地域全体で支援していくことにより、患者さん一人一人が関心をもち、治療に積極的に取り組んで頂けるとよいと思います。

また、今後も糖尿病と上手く付き合えるよう、様々な情報を当院の糖尿病教室にて発信していきたいと思います。糖尿病教室の参加は無料ですので、地域の見様方の多くの参加をお待ちしております。

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