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糖尿病の合併症
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2019年6月 超高齢社会におけるかかりつけ医のための適正処方の手引き 糖尿病が発表されました。その中で、高齢者糖尿病の治療の目的は、非高齢者の糖尿病治療と同様に血糖、血圧、脂質、体重を包括的に治療し、血管合併症を予防することが基本となるとあります。

そもそも合併症予防ということに関しては、HbA1c 7.0が目標とされています。

そして血管合併症とは、循環器の医者がよく扱う、大血管-狭心症、心筋梗塞 などと、循環器以外の医者がよく扱う、細小血管-腎症 網膜症 神経障害があります。

狭心症、心筋梗塞などは、動脈硬化が原因となり、脂質異常症の管理が必要です。

狭心症、心筋梗塞以外の循環器の病気としては、糖尿病の人においても心不全の予防は大事ですが、SGLT2阻害薬は、長時間にわたる利尿作用があり、糖尿病の人の心不全に著明な効果があることが話題となっています。今までの糖尿病のお薬で、ここまでの効果があるお薬はありません。

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循環器疾患の予防においては、医学的には、実は内分泌的なアプローチが重要であると言えます。循環器の病気は、そもそも血圧―血液―自律神経、3つに介入していくことが必要です。

まず最初に、血圧―血液―自律神経のなかの血圧についての話から始めます。2019血圧ガイドラインから、75歳以上、脳内系の病気、CKDの人で尿蛋白なしは、140/90それ以外は130/80とされています。ポイントとしては、厳格な血糖、厳格な血圧管理ではなく、適切な管理が必要であるということです。

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2つ目に血圧血液―自律神経のなかの、血圧血液に関わるのが腎臓です。腎臓についての最近の話題として、糖尿病における腎症の新しい分類として、DKDという概念があります。これは、糖尿病の人で従来の蛋白尿が増えるタイプではなく、糖尿病であるのに蛋白尿がない病態のことです。動脈硬化によるとされています。このタイプの場合、あまり血圧を下げ過ぎると腎臓によくありません。つまり、大事な働きをする腎臓の管理においては、腎臓を守るための対策が必要です。その一つとして、NSAID(痛み止め) と ACE、ARBの降圧薬 と 利尿剤の併用を避けるなどの対処が挙げられます。特に、夏場での水分管理は重要です。うれしいニュースとして、先ほど心不全の話でも出た、SGLT2阻害薬の話題があります。それは、CREDENCE試験という大規模臨床試験で、SGLT2阻害薬は、糖尿病性腎症に効果があるとの結果が出ました。

3つ目の最後、血圧―血液―自律神経のなかの、自律神経についてです。そのなかで、AF(心房細動)の管理は、脳梗塞の発症だけでなく心不全の発症、管理においても非常に重要であります。

最後に、以上の医学的な薬物療法に頼るだけでなく、患者さん自身が毎日のストレス管理をすることはお金もかからない、しかも、病気の原因に迫った、まさに内分泌学的において一番大事な治療法であると考えます。

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