本文へジャンプ

2015新型ノロウイルス感染症について

今年の始めから新たな変異型ノロウイルス(GⅡ.17)が流行の兆しをみせています。

これまでにもノロウイルスは変異型ウイルスの出現により、過去に大規模な流行を繰り返してきましたが、最近は主に GII.4 が流行していたため、免疫を持つ人が増え、大流行になることはありませんでした。しかし、この変異型ノロウイルス GII.17 には、ほとんどの人が免疫を持っておらず広く流行する恐れがあり、体力のない乳幼児や高齢者では命に関わる恐れもありますので、今まで以上の注意が必要です。


新型も従来型も感染経路は以下の4つです。

  1. 経口感染:二枚貝などの食品などを介した感染
  2. 接触感染:汚物やウイルスのついたドアノブを手で触れることによる感染
  3. 飛沫感染:嘔吐物などの飛沫を吸い込むことによる感染
  4. 空気感染:嘔吐物・汚物などが乾燥して飛び散ったものを吸い込むことで感染

ノロウイルスは熱にも乾燥にも強いため、一度飛び散らせてしまうと広範囲が汚染され、ウイルスを殺さない限りは長い期間に渡って感染リスクを維持し続けてしまいます。(乾燥した場所では、4℃で8週間程度、20℃で3~4週間生存可能です。)非常に注意すべきウイルスの一つです。新型ノロウイルスの飛沫感染・空気感染は口や鼻や目などの粘膜にウイルスが入ることで感染を起こします。(目の場合は、目の粘膜よりも鼻涙管を通って涙と一緒にウイルスが鼻に流れることで感染を起こします。)


ノロウイルスに最も効果のある予防対策が手洗いの徹底です。帰宅時だけではなく、学校や職場、出かけた先のトイレなどで頻繁に手洗いをするようにします。当然水洗のみではなく、石鹸や薬用洗剤を使い丁寧に指先まで徹底して洗います。消毒にあたっては、アルコールやエタノールでは殺菌効果はありません。「85℃以上で1分以上の加熱」と「次亜塩素酸ナトリウム」による消毒が効果的です。

ノロウイルスの検査に関しては平成24年4月1日の保険点数改正により以下の該当者には保険適応が可能となりました。

(保険適用内容)

ア  3 歳未満の患者

イ 65 歳以上の患者

ウ 悪性腫瘍の診断が確定している患者

エ 臓器移植後の患者

オ 抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤、又は免疫抑制効果のある薬剤を投与中の患者

上記に該当しない方は、現時点ではこのノロウイルス検出方法はいずれも保険で認められていないので、外来で検査をしようとなると簡単な検査で数千円、精密検査だと1万円~2万円ほど費用がかかります。


新型ノロウイルスの治療方法は、従来型のノロウイルス治療と違いはありません。病院へ行かなくても自宅療養だけで回復することが可能です。例え病院へ行ったとしても適切な治療薬やワクチンは存在していません。症状を和らげる薬を投与する程度ですのでノロウイルスにかかってしまった場合は、自宅で安静にして体内からノロウイルスを排出することが一番の治療法となります。


注意点としては、嘔吐と下痢によって水分が失われやすくなっているので、経口補水液やスポーツドリンクでこまめな水分補給をして下さい。また、激しい嘔吐と下痢に見舞われますが、吐き気止めや下痢止めの薬は服用してはいけません。服用した直後は楽になるかもしれませんが、ノロウイルスを体外へ排出する機会を減らし、体内で繁殖させるきっかけとなってしまいますので注意が必要です。

診療科案内

メニュー

医療法人社団 誠広会
平野総合病院
〒501-1192
岐阜市黒野176番地5
TEL:058-239-2325(代)

ページの一番上へ