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立ち上がりの介助のコツ

普段、寝たきりやそれに近い生活をされている人の中でも、助けられればなんとか立てる人は多いと思います。しかし、介助される際に少しでも立ちにくさがあると介助する側にも負担になり、生活の中で立つ頻度は減ってしまうでしょう。そんな時、介助の仕方に迷う前に、立ち方の基本を守るだけで介助量が大きく変わって立たせやすくなることがあります。逆にその基本を守っていないと介助量が何倍にもなってしまいます。病院や施設などでリハビリ専門スタッフが患者さんの介助を軽々行っているのをみて、「力があるなぁ」と思うこともあるかもしれませんが、多くの場合は力ずくで行っているのではなく、介助する側の力は最小限で済むようなごく簡単な「こつ」を使っています。


座り姿勢の確認

まずは立つ前の座り姿勢を確認します。

立ちやすさはこれで決まると言っても過言ではありません。


上ではなく前に誘導する

脇など支えている場所を上に持ち上げる前に、前に誘導します。座っているときの重心はほぼお尻にかかっていますが、その体重をほぼ100%足に移動しないとどんなに力があっても立てません。


つかまるところがあったらなるべく前の方を持ってもらう


手はひっかけておくだけ

肘を曲げて手で持ち上げるのではなく、手はひっかけるだけにして、介助する側も一緒に動くのが基本です。手を曲げる力ではなく、自分の体重を使う意識で行いましょう。


最も重さがかかっているところの真下に近い位置に介助する側の足を置く

このような基本的な項目をみると、「そんなのあたりまえじゃないか」と思うかもしれませんが、うまく介助出来ない場合は、これらのことができていないことが多いと思います。自分で立ちにくい人は、単に力がないのではなく、これらの動きができていないだけかもしれません。筋力が低下すると同時に、動き方、体の使い方、力の入れ方を忘れてしまいます。正しい介助をすることで動きを思い出してもらうこともでき、繰り返すことで筋力、体力も維持・向上させることもできるかもしれません。

また、「立つ」ということは単に足の力を使うだけではありません。寝た姿勢や座った姿勢で膝を伸ばし足り曲げたりするような単一の筋肉を同じ使い方で繰り返すのとは違い、立つときはバランスをとるために全身のいろいろな筋肉を協調的に使います。また、体重がかかるため筋肉に強い負荷がかかります。さらに言えば体重がかかることで筋肉だけでなく骨も強くなります。後に痛みや疲れが残らない程度の負荷で、できるだけ頻度を増やしていけると良いと思います。

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