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おくすりの管理

患者さんが入院されるとき、現在服用中のお薬がある場合にはご自宅から持参し病院に預けていただいています。

複数の医療機関(病院、診療所など)に受診する際は、『おくすり手帳』や『医薬品情報提供書』などでも構いませんが、入院される場合には、おくすりの現物も持参して頂きます。最近では「薬剤師外来」を開設して、入院前の事前確認を行うことにより入院後の対応(休薬の指示、服薬状況などを主治医が把握)がスムーズにできるよう体制を整えている病院もあります。

さて、患者さんが持参されたおくすりは、病棟(担当看護師)から薬剤部(薬局)に送られた後、薬剤師が「持参薬の鑑別」を行います。

直近に服用(使用)されているおくすりから順番に、製剤名・用法・用量・当院採用品か否か(採用していない場合の代替薬)・その他(当院では、ハイリスク薬、認知症のおくすりの有無・休薬期間、おくすり手帳の有無・かかりつけ薬局など)などを記載した「持参薬鑑別書」を添えて病棟に送り返します。

花

病院内の薬剤師、看護師に限らず、在宅訪問を行っている薬剤師、看護師、ヘルパーの多くが、患者さん(または御家族)の様々な管理の仕方に遭遇していると思います。

錠剤(カプセル剤)の場合、ひとつの分包紙に一回分が包装された「一包化」調剤形式の場合と、ヒートシールのままの場合に大別されますが、きちんと飲めていないケースにはいくつかのパターンがあります。

  • 複数の医療機関に受診しているためか、薬袋の数が多くなり、さらに服用忘れもあって古い処方薬が溜まっている。(時には5年以上前のものも)
  • 同じ医療機関に短期間に何度も受診(同じ症状、または異なる症状により)し、その都度異なるおくすりを服用することになり整理がつかなくなる。
  • 一包化されていても多剤併用や用法が異なる処方が多く、飲み間違いの要因となっている様子。
  • ヒートシール包装をハサミでバラバラにしてピルケースに入れてあるのに、後から出されたくすり(異なる診療科などに受診)も加わって整理出来なくなっている。
  • ピルケースで管理しているため、「起床時」「食前」「食直前」「食後」「食間」「就寝直前」「就寝前」など、服用のタイミングまで考慮して管理していない。

等々、持参されたおくすりを確認する際には、管理の苦労が垣間見えますが、調剤されて受け取ったおくすりを、飲むときに便利だからと言って、例え一包化してあるものでも全部バラバラに切り離してしまうことにより、混乱する原因になっています。

おくすりは、曜日・服用のタイミング毎に1週間分の単位で「曜日付きのおくすりカレンダー」や「ピルケース」などで管理するなど、当面服用しなければいけない分とそうでない分。前回処方分で中途半端に残った分は思い切って廃棄するなど「目の前にあるおくすりを適当に飲む」ようなことに成らないよう注意しましょう。

だんだん高齢となり生活習慣に起因する疾患のために複数のくすりを服用するようになってしまったという方もあるかと思います。しかし、高血圧、抗不安薬、非ステロイド性抗炎症薬、睡眠薬などのくすりでは、くすりとしての効果の他に、ふらつきや転倒、せん妄、食欲が低下する、便秘、排尿障害等々老年症候群(高齢者特有の症候)の原因につながるものが少なくありません。

くすりが原因で上にあげた症候が現れていたとしても、診察室で訴えるとまたくすりが増えていってしまうということにもなりますので注意が必要です。

加齢とともに身体の機能も衰えていきますが、できるだけ長く運動や感覚、生理的な機能また、精神的な機能を維持できるよう生活することで余分な(必ずしも必要でない)おくすりの服用を避けることができます。

剤数を減らすことについては、服用回数が少なくできるもの。2種類の成分が1剤に入っているもの(合剤)なども増えてきましたので、診察のほか、病院内またはかかりつけ薬局の薬剤師にも尋ねてみてください。

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