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マイコプラズマ抗原定性について

マイコプラズマ肺炎とは、多くの人の咽喉に生息しているマイコプラズマという病原体によって起こる肺炎のことです。感染力が弱く、発病率も低いため健康な人の場合は発病しません。しかし、体力が低下している時や、咳をしている人の近くにいてマイコプラズマを一度にたくさん吸い込むと発病します。

10代から30代までの若い人が感染することが多く、発病してもほとんどの場合軽症ですみます。約40%の人が1歳までに、約65%の人が5歳までに感染するといわれており、大人(成人)になるまでには約97%がマイコプラズマに感染しています。


マイコプラズマ肺炎の一般的な症状はせき、発熱、頭痛、倦怠感で、普通の風邪と見分けがつかず診断や治療・入院が遅れるケースが多くみられます。普通のかぜとの違いは、せきに痰がからまず長く続き、胸や背中の筋肉が痛くなることがあるという点と、38度以上の高熱を伴うという点です。


今までは外来にて採血し直ぐに結果がでる迅速検査法(血液検査)として(マイコプラズマ抗体定性)血清IgM抗体を検出する方法を実施していました。しかし問題点として本法はマイコプラズマ感染初期(急性期)から治癒後約1年6月まで陽性(感染を示す)であることもあり、また偽陽性(感染がないのに感染を示す)も多く、血液検査(血清抗体価)と併用して診断する必要がある欠点の多い検査法でした。


マイコプラズマ

しかしマイコプラズマ抗原の迅速検査キットが保険適応となり、抗体検査から抗原検査をすることで、早期の陽性報告・過去の既往による偽陽性がなくなり、正しい診断が可能となりました。検査結果も今までと同様に30分報告が可能です。

今まで当院でも迅速検査の血液抗体検査を実施してきましたが、現在は咽頭からの抗原検査に移行して検査対応しました。注意点としては、材料が血液から咽頭分泌物に変更となり、材料の採取が大変重要なポイントとなります。正確に咽頭材料を採取しないと正しい検査結果が出ません。

今回、マイコプラズマ抗原検査導入により、マイコプラズマ肺炎の診断率向上があるものと考えています。

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