本文へジャンプ

デング熱の検査について

デング出血熱とは、フラビウイルス科に属するデングウイルス感染症の重症型であり、血漿漏出や出血症状を特徴とする疾患です。デングウイルスに感染した蚊(ネッタイシマカ・ヒトスジシマカ)に刺されることによって感染します。

平成26年8月に、海外渡航歴がなく東京の代々木公園等で蚊に刺された方からデング熱患者が発生し、最終的に都内で108人の患者が報告されるに至りました。今回の感染は国内の蚊が感染源だったため、今後日本でも爆発的に感染者が増えるのでは、と懸念されています。

デング熱の症状としてはデングウイルスを病原とする感染症で、3~7日置いてから突然の発熱や激しい頭痛、関節痛、筋肉痛、発疹などの症状が現れます。今までは、デング熱の診断には潜伏期間内にデング熱流行地域への渡航歴があるかどうかが重要なキーポイントとなっていましたが、現在は日本でもデング熱が確認されているため、デング熱の典型的な症状が見られたら、デング熱の検査をして確定診断をするようになっています。

デング熱の検査は行政機関で行い、一般的な病院では検査できません。残念ながら平野総合病院でも検査は出来ません。医療機関で疑いのある患者さんが出た場合は、地域を管轄する保健所に相談し、地方衛生研究所や国立感染症研究所、検疫所に検査を依頼することになります。しかし、東京でデング熱が流行したことを受けて、平成28年6月にデング熱の検査キットが保険適用(点数233点)となりましたが、保険が適用されるのは国立感染症研究所が作成した「蚊媒介感染症の診療ガイドライン」に基づきデング熱を疑う患者さんが当該患者の集中治療室に対応できる届け出を行っている保険医療機関で入院患者のみ(岐阜赤十字病院等)に限定されています。

デング熱の検査方法には、デングウイルスを検出する方法、あるいは、デング熱にかかっていることを示す物質を検出する方法のいずれかが用いられることが多いです。検査を行うタイミングによって、デングウイルスに影響を受ける物質が異なるため、検査時期に合わせて、的確な検査方法を選び、確定診断が行なわれています。

発症後5日以内の高熱を出している急性期は、血液中にウイルスやウイルスから作られるNS1 抗原が多い時期です。したがって、この時期の検査は、ウイルスの遺伝子を検出する「遺伝子検査」やNS1 抗原を検出する「抗原検査」が主に行なわれています。

しかし、これらの検査は時間や費用がかかりますので、すぐに検査できる方法としては個人輸入やネットショッピングで簡易検査キットを購入して検査する方法があります。簡易検査キットは、ELISA法による病原体タンパクNS1の検出やIgM抗体の検出などの方法を用いて、少量の血液だけで10~15分でデング熱かどうかを検査できるものですが自己判断・自己責任となります。(画像参照)

デング熱の症状としてはデングウイルスを病原とする感染症で、3~7日置いてから突然の発熱や激しい頭痛、関節痛、筋肉痛、発疹などの症状が現れます。今までは、デング熱の診断には潜伏期間内にデング熱流行地域への渡航歴があるかどうかが重要なキーポイントとなっていましたが、現在は日本でもデング熱が確認されているため、デング熱の典型的な症状が見られたら、デング熱の検査をして確定診断をするようになっています。

デング出血熱ではデング熱の確定診断に加えて、血液中の血小板の減少や出血傾向のほか、血管透過性亢進(けっかんとうかせいこうしん)による血漿漏出(けっしょうろうしゅつ)という、血漿が血管から漏れ出す状態が起きていることで診断されます。

健常人であればデング熱は感染してもほとんどは1週間以内に回復します。しかし、まれにデング出血熱と呼ばれる重い合併症を引き起こして死に至ることもあります。デングウイルスに対する治療薬・ワクチンはありません。対症療法が中心となります。デング熱・デング出血熱の発熱に対しては、出血傾向を増悪(ぞうあく)させる可能性があるため、アスピリンを使用してはいけないことになっています。デング出血熱に対しては、補液が主な治療法となります。

デング熱は感染症法で四類感染症に指定されていますので、デング熱と診断したら、その医師は速やかに保健所に届け出なければいけません。

診療科案内

メニュー

医療法人社団 誠広会
平野総合病院
〒501-1192
岐阜市黒野176番地5
TEL:058-239-2325(代)

ページの一番上へ