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糖尿病性腎症のための食事療法  -食事療法がうまくいくための注意事項-

平成28年11月17日(木)に岐阜リハビリテーションホーム1階のパブリックホールで管理栄養士による糖尿病教室を開催しました。糖尿病性腎症は糖尿病の合併症のひとつであり、透析患者さんの38.1%を占めるといわれています。

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透析療法は多額の費用が必要ですが、そのほとんどを医療保険でまかなうため、国の医療費を引き上げる原因のひとつといわれています。また、血液透析の場合は、週3回、1日あたり4時間程度の時間を要します。透析療法で腎臓の働きを100%補うことはできないといわれており、薬物療法等のほか食事療法において食塩制限やカリウム制限などの様々な配慮が必要となります。薬物療法等で治療を行うことは重要ですが、食事療法は透析療法に移行することを遅らせることができるといわれています。

糖尿病と糖尿病性腎症の食事療法の違いについて説明しました。糖尿病の場合は、「血糖コントロールを良好に保つ」という目的でしたが、糖尿病性腎症になるとさらに「腎臓をいたわる」ということが加わります。「①高血糖を防ぐ食事」、「②たんぱく質の多い食品をとりすぎない」、「③食塩制限」、「④エネルギーの過不足に気をつける」、「⑤カリウム制限(病期による)」、「⑥リン制限(病期による)」のポイントをふまえて食事療法を行います。

たんぱく質の制限の理由は主に、「腎機能障害進行の抑制」、「透析導入を遅らせる」、「血清カリウム値や血清リン値、血中尿酸値の上昇の抑制」です。たんぱく質制限の量は病期によって違いますが、標準体重1kgあたり0.6gのたんぱく質の場合、標準体重が50kgであれば1日のたんぱく質量30gとなります。日本人の1日あたりのたんぱく質摂取量は70gくらいです。そのため、主食においてたんぱく質をほとんど含まない治療用特殊食品を使用する、たんぱく質の多い食品と少ない食品を知り、たんぱく質の多い食品のとり方に充分配慮する必要があります。たんぱく質の多い食品(主に肉類、魚介類、卵、乳製品、大豆、大豆製品)の上手な減らし方について具体的に説明しました。また、たんぱく質の多い食品を制限することで摂取エネルギーが減ってしまうため、その分たんぱく質をほとんど含まないでんぷん製品(春雨、片栗粉等)や油で補う必要があります。重要なこととして、自己流の食事療法の場合、エネルギーの不足になりやすいです。エネルギーの不足が続くと、体重減少-特に筋肉量が減少し、低栄養状態になる恐れがあります。また、その状態がさらに腎機能障害を進行させる原因になるといわれています。必ず主治医に相談、管理栄養士による栄養指導の継続が重要であることを説明しました。

 
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腎機能が悪化すると、余分にとった食塩は体内に蓄積して、浮腫や高血圧、心機能障害が生じ、腎機能はさらに悪化するといわれます。また、高血圧などの生活習慣病予防において食塩を取りすぎないことは、離乳食の時期から生涯にわたって行うことが大切ともいわれます。おいしく減塩を行うためのポイントをいくつか紹介しました。

最後に、食後血糖値を高くしないための工夫を説明しました。食べる順番を工夫すると、食後の血糖値の上昇が緩やかになりやすいといわれています。また、血糖値の上がり下がりが激しいと動脈硬化を促進させ、認知症を進めるともいわれています。食後高血糖を防ぐための食べる順番は、最初に「野菜(きのこ・こんにゃく・海藻含む)を握りこぶし1個分、5分以上ゆっくりよくかんで食べる」、次に「たんぱく質の多いおかず(肉類・魚介類・大豆製品等)を5分以上ゆっくりよくかんで食べる」、最後に「炭水化物の多い食品(穀類・芋類・南瓜・とうもろこし等)を5分以上ゆっくりよくかんで食べる」です。また、食べすぎや欠食をしない、主食の重ね食いをしない(うどん+寿司やラーメン+炒飯)ことも気をつけるとよいと話しました。

今回も、多くの方々にご参加いただきました。

何かお聞きになりたい事がありましたら、気軽に声を掛けて頂ければと思います。

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